日本の2014年に打ち出した小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの表層から、採取、2020年に地球に持ち帰った粒子状のサンプルを分析した結果「液体の水」があったということがアメリカの科学雑誌に掲載された▼この先、隣国の中国はじめ宇宙開発の、先進国、大国の動きが注目されている。特に中国および中国人の「水」に対する関心は他に比はないといえる。これまでの見聞、見地に照らしてみれば理解できる▼四大文明の一つが中国の黄河に花を開き、今や中国の人口は14億人に上る。中国の水不足問題はかなり深刻と聞く▼日本の水が豊かなリゾート地の水源地買収などには並々ならぬ活動をしている。つねに注目を集め、不安を煽ることに長ける、中国ならではの新たな宇宙活動に注視を集めることは間違いなかろう▼「はやぶさ2」の初期分析チームは2021年6月から分析を開始し、世界14カ国、109の大学と研究機関、296人が参加しており、今回の成果は国際的な研究協力の賜物といえるだろう▼宇宙開発に新たな叡智を生かすためには国境を超えた研究・協力が不可欠だ。これは宇宙開発にとどまらず、地球環境問題でも同じことだ。戦争などしている場合ではない。