吾唯知足2022年12月11日号掲載分

　ワールドカップで世界の強豪国であるドイツ、スペインを下した日本も、さらにその上を行くクロアチアの巧みな戦略を崩すことはできず、ＰＫ戦では経験値の低さからほぼ圧倒されて終わった▼それでもカタール大会での日本代表の試合は、ワールドカップに誕生する『にわかサッカーファン』が見ていても面白かった▼ボールの支配率、シュート数で劣っていても決して一方的に押しまくられず、『にわか』にもわかるカウンター攻撃など一瞬の攻守の転換の妙に手に汗を握った▼３０年間の停滞で、世界経済から取り残されつつあるとされる日本だが、この「新時代が見えた」と評されるサッカーの勢いに倣い「攻め」に転じて勢いを取り戻したいもの▼かつて本州四国連絡高速道路の児島・坂出ルートでは、トラス橋などで計画されていた橋を新型式・新技術を取り込み、盛り込みする、攻めの姿勢をもって我が国「橋梁時代」の黎明期としたはず。スポーツだけが評価される国であるはずがない。