岸田首相が「異次元」の少子化対策に乗り出すという▼この少子化という現象、2021年の合計特殊出生率を見ると日本は1.4で世界ランキング191位だ▼コロナ禍でさらに減少したというデータもあり、先進7カ国ではイタリアがやや下位にいるくらい▼近年の日本には珍しくまさに「先進国レベル」で「世界に先駆けて」突き進んでいる▼とりわけ15~64歳の生産年齢人口の減少は顕著、高齢者や女性が新たに職に就くことで就業者数の減少は免れているのが現状▼ただ皮肉なことに、この人口減少に上手く社会として対応できれば、むしろ人口「減少」先進国として同じ悩みを抱える各国の良いお手本になるのかもしれない▼例えば中国、昨年末時点の人口が約60年ぶりに減少に転じたという▼これまで世界一の人口大国として世界の工場となり、さらに先端技術分野でも世界を席巻するほどに成功を収めてきた▼もはや日本に学ぶものなしと豪語する向きも見られる中で、この少子化対策の一点には大いに注目しているかもしれない▼いずれにせよ、この4月には子ども家庭庁が発足する。人手不足では技術の継承すら覚束ない。モノづくりを旨とする国であり続けるためにも「異次元」に相応しい対策を望む。