ハワイ・マウイ島で発生した山火事は、観光客にも人気の風光明媚なラハイナの町一帯を焼失させた▼こうした山火事の原因が気候変動の影響が大きいと聞くと、今後も頻発することが予想され暗澹たる気分だ▼そして今日、この9月1日、まさに100年前の日本でも関東大震災が発生し、その時の火災は首都を蹂躙、多くの人命を奪っている▼地震発生が昼時で多くの家庭で食事の準備中、同時多発的に火災が発生し、折悪しく近づいていた台風による強風が煽り、瞬く間に燃え広がる▼当時、隅田川に架かる橋は鉄橋が多かったものの、橋面には木板が敷かれるなど完全な耐火構造ではなかったようだ▼直接、飛び火する以外にも燃え盛る船が橋に衝突したり、橋上で渋滞する避難者の荷物に飛び火したことも橋の焼失の原因だったらしい▼そうした隅田川に架かる橋の中では唯一、避難路として機能したのが新大橋、木の少ない耐火橋梁であったことに加え、避難民の誘導に当たっていた警察官らの判断も適切だった▼彼らは避難民を説得、荷物のほとんどを捨てさせ延焼をくい止めたという▼どんなに機能を尽くしたインフラを用意しても災害時には想定外の事態が起きる。その時こそ冷静な判断と適切な行動が求められる。