吾唯知足2023年11月1日号掲載分

　記録的な暑さの夏、９月８日のこと、激甚災害にも指定された「令和５年台風１３号」は、千葉県の房総半島の重要な交通インフラである小湊鉄道、いすみ鉄道、そしてＪＲ外房線に大きな被害を与えた▼小湊鉄道と、いすみ鉄道とも、自然豊かな半島内陸部を横断する鉄道路線であり、車窓から美しい山野、渓谷を満喫できることでつとに有名▼しかしながら台風１３号の接近により記録的な大雨が発生し、低地を走る地域では線路が冠水するほどだった▼斜面からも土砂が流れ込み、線路脇の土手が崩落、あるいは枕木が剝がれるなどの被害も見られた▼一部区間が運休となるが、当然、復旧工事も迅速に行われ一部は９月中に復旧、しかし未だ一部区間では運行を停止中だ▼一方、いすみ鉄道と接続するＪＲ外房線は半島の沿岸部を走り県都千葉市と房総の各拠点を結ぶ鉄道▼やはり大量の雨によって、千葉市から隣接する大網白里市に跨る区間が一時運休となる▼さすがに４日後の１２日には復旧したものの、利用者の中には会社を休まざるを得なかった人もいたというから切実だ▼ようやく秋めいた気候にほっとする今日この頃だが、日本のみならず世界各地で「記録的な」気象被害が頻発した今年上半期、まさに気候変動を痛感する。