昨年はコロナ禍も一応のめどが立ち、ようやく日常を取り戻したかに思えたが、年を改めてこの元日から、依然、冷や水を浴びせられたような気分が続いている▼「令和6年能登半島地震」による石川県の犠牲者数もじりじりと増え続け、17日時点で232人となっている▼地震発生後、火災に見舞われ約200棟が焼失した輪島市の朝市通りでは、17日になってさらに10人の遺体が見つかり、雪など自然条件に阻まれ捜索すらままならない状況が見て取れる▼石川県内では、15日2時時点で8市町の5万5500戸が断水、生活に欠かせない水の供給が断たれた状態だ▼道路の状況も厳しく、3日時点で42路線89カ所が通行止めだったが、それが15日になっても36路線89カ所が通行止めとなっているようだ▼ただ一時は4000人を超えた孤立集落の被災者も、懸命な救援活動や自力による脱出で、17日午後2時時点で56人と減少している▼輪島市の黒島漁港など海岸部では最大4㍍もの地盤の隆起が発生、海底がむき出しになった無残な光景に、海を糧としている漁民の心中を察すると言葉を失ってしまう▼半島自体が活断層の上にあるようなもので、未だずれ動いていない断層の存在も確認されているため、決して予断を許さない。