能登半島地震で発生した土砂災害は石川、新潟、富山の3県で281件にも上るという。これは昨年1年間の全国で発生した土砂災害の約2割に当たる数字▼また広範囲にわたり液状化現象が発生したことも特徴だ。石川県の内灘町での液状化は、日本海から吹く季節風により海側の砂丘から内陸に砂が吹き広がり、激しい揺れにより地下水と、混じりあった結果、発生したという▼東日本大震災では千葉県浦安市、あるいは阪神・淡路大震災では神戸市のポートアイランドなどで発生している▼大きく取り上げられた現象のため、埋め立て地や干拓地など地盤に問題がある個所で発生すると思う一般の人もいたようだが、こうした現象は全国至るところで起こり得ると考え、早急にハザードマップを改める調査に入るべきだろう▼7日時点で石川県内の住宅被害は5万7119棟、避難者は1万2000人近くおり、そのうち旅館やホテルなどの2次避難所に入った人が5000人弱であり、7000人を超える避難者は公民館や学校などの1次避難所に留まらざるを得ないでいるという▼そして、県内の3万7000戸は未だ断水状態、死亡者数を報じるニュースの中に「震災関連死」という文字が増えつつある。