吾唯知足2024年4月1日号掲載分

吾唯知足 ▼新年度始めの本日、本来なら多くの門出を祝うべきところだが「令和6年能登半島地震」で始まった今年は、未だ奥能登では水道などライフラインの復旧が限定的、被災者の窮状を聞くと暗澹たる気持ちを抱かざるを得ない▼関東圏でも千葉県東方沖を震源とする地震が2月下旬~3月下旬にかけ40回近く発生している▼専門家によれば、断層がゆっくりと滑る地殻変動、「スロースリップ」(ゆっくりすべり)が発生しているとのこと。房総半島がのる陸側のプレートに、海側のフィリピン海プレートが沈み込む境界でこれが発生、国土地理院によれば推定最大約2㌢、南東方向に動いているという▼通常の地震では沈み込んだ海側のプレートに、引きずり込まれる形で陸側のプレート全体が動いて巨大地震を発生させるが、「スロースリップ」では部分的にとどまるため、地上の被害は少ない▼そうとは言え東日本大震災、今年の能登半島地震の前にもこのスロースリップの発生が確認されている▼能登地方を震源とする地震ですら、今もまだ続き、昨年12月19日~先月28日時点での発生回数は742回に達し、能登半島沖の震源でも315回に上る。能登のみならず、全国で予断を許さない状況は続いていることを肝に銘ずべき。

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