3日朝7時58分(日本時間では8時58分)、台湾東部沖の沿岸部を震源に発生したマグニチュード7・2の地震。特に震度6強を観測した花蓮県の市街では、ビルが傾くなど建造物への被害も大きく、さらに山間部では落石などによる死者も発生した▼3日時点で死者9人、その1週間後には13人の死亡が発表されており、台湾にとって死者2400人を数えた1999年9月の台湾大地震以来の強い地震となった▼地震発生後まもなく、沖縄本島、宮古島・八重山諸島の各地方では津波警報が発せられた。これは東日本大震災以来のこと。一時は3メートルの津波が予想され県内で2万5000人が避難した▼結果として与那国島や宮古島で30センチ、石垣島でも20センチの津波にとどまっているが、迅速な避難が行われたことは是とすべき。東日本大震災や、直近でも能登半島地震、津波の恐ろしさはわれわれの骨身にしみている▼台湾は西に動く太平洋側のフィリピン海プレートと、東側に動く大陸側のユーラシアプレートがぶつかり合ってできた島。この二つに加えて、北米プレート、太平洋プレート、計四つのプレートに乗っている日本▼日・台とも地震を身近に生活しており、同病相憐れむ点で、今後も強固に連携することが求められる。