8月4日を日本記念日協会が「橋の日」と認定したのは1994年のことである。この「橋の日」の発端は1985年に宮崎県延岡市出身の湯浅利彦氏が個人の立場から同市で提唱したことに遡る▼湯浅さんに共鳴した延岡市の有志らによって、翌86年に「延岡橋の日実行委員会」が設立され五ヶ瀬川に架かる安賀多橋で第1回の「橋の日」イベントが開催された▼県北に位置し、五ヶ瀬川以外にも大瀬川、祝子川、北川などが市内を流れ、水郷とも称される延岡市において橋は生活を支え風土を形成するものであり、市民に親しまれる橋は数多い▼橋をより身近に、それとふれあうことを通して、橋への理解や感謝、ひいては愛郷心を育てたいという湯浅さんらの想いが「橋の日」の出発点だった▼橋によって文化を育む、そうした都市や地域は数多い。共鳴は続き、さらに翌年の87年には宮崎市においても実行され、やがて全国へと拡大していく▼各地で行われるイベントも様々だ。橋や河川敷の清掃などはもとより、割りばしによる模型コンテスト、橋の上からの大声コンテストなどユニークなものもある▼一人の小さな声が大きなうねりとなって全国へと広がり、各地を繋げた。願わくば時代を超えて受け継いでいってほしい。