吾唯知足2024年7月21日号掲載分

吾唯知足連日、快進撃が続く大谷翔平選手に関するニュースに多くの日本人ファンが注目していたところ、突如、その海の向こうから飛び込んできたニュースに激震が走る▼現地時間の13日夕方、米ペンシルベニア州の選挙集会で演説中のトランプ前大統領が狙撃されたというもの▼アメリカ大統領に暗殺は付き物なのか、1865年のリンカーン大統領に始まり、81年のガーフィールド大統領、1901年にはマッキンリー大統領、そして63年のケネディ大統領と4人が犠牲となっている▼振り返ると、わが国においても内閣総理大臣の暗殺は実に多い。1921年に原敬、30年には浜口雄幸、32年には犬養毅が5・15事件で暗殺された▼1936年には高橋是清と齋藤實の二人の元首相が2・26事件の犠牲者となっており、大正末期から昭和初期の約15年間に集中していることからも、いかにこの頃が不穏な時代だったか▼トランプ氏を狙った銃弾は幸いにして右耳をかすめたのみ。ただし巻き添えで一人の彼の支持者の命が失われている▼翌日には容疑者が射殺されたことも報じられた。背景は不明だが、20歳そこそこの青年が130メートルの位置から狙撃したということに驚かされる。いずれにしろ「不穏な時代」の到来だけはご免被りたい。

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