石破総理はトランプ次期大統領との早期対談実現に腐心するが、それ以上に腐心すべきはわが国の未来を担う若者への経済配慮だ▼先日行われた所信表明演説に対する代表質問で3つの「年収の壁」について与野党間で議論されたが、最後まで石破氏が引き上げ額を明言することはなかった。自民・公明両党の優越が崩れたからには、先の選挙で明らかになった民意に対して真摯に応えていくしかあるまい▼このままでは税収の多寡を議論するどころか、経済不安から闇バイトが横行するなど、治安の悪化すら招きかねない。これは長年、主たる支持層でなかった若者を顧みずに政治を行った結果だろう▼橋梁業界においては深刻な人手不足により、労働環境の改善が急務として考えられるようになり、従来のイメージを払拭するためのメディア活動なども積極的に行われ、未来のインフラを担う明るい業界としての姿を取り戻そうとしている▼国民に対して、未来に希望が持てるようなビジョン・構想を提示することもまた政治家の使命である。経済政策を足元から見つめ直し、これまでわが国の社会・経済を担ってきた人達が安心して引き継げる現役世代や次世代を鼓舞するような「心」の政治が今この時代に求められているのではないだろうか。