吾唯知足2025年3月1日号掲載分

吾唯知足 2月24日に埼玉県所沢市の道路脇の歩道から水が噴出し周辺道路が冠水、付近は断水した。市は管の老朽化が原因とみて復旧工事を実施している▼1月28日に発生した埼玉県八潮市の大規模な道路陥没事故から1カ月が経過。転落したトラックの男性運転手の救出には約3カ月を要するという▼その救出を阻み、道路陥没の一因とされるのが硫化水素だ。下水管に空いた穴から周辺土砂が管内に吸い込まれ、大きな空洞ができた。この穴は下水から発生した硫化水素が原因とみられる▼ただし硫化水素が発生した要因には疑問が残る。地盤の専門家は、現場で管路がカーブし硫化水素が発生しやすい環境だったと解説するが、カーブしている管路などはざらにあるだろう▼いずれにせよ硫化水素の発生要因を探ることが、次の事故を防ぐことに繋がるはずだ。国土交通省によると、このような陥没は年間2000件以上発生している▼土木学会の佐々木葉会長は2月26日、会員に向け「インフラを使う「私たち」が、インフラとともにどう生きていくかを「自分ごと」として考える社会を目指す必要があるのではないか」とのメッセージを発信した。確かに、インフラを利用するわれわれがこの問題を自分ごととして捉えなければなるまい。

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