吾唯知足2025年4月1日号掲載分

吾唯知足 道路技術懇談会の議論を覗けば、道路・橋梁の最新技術の導入促進への熱意が溢れている。老朽化インフラ対策、低炭素化、効率化などのキーワードが飛び交う。現場の切実な声はどこまで届いているのか。地方自治体の財政状況を考慮した際のコスト問題が再三指摘されている。素晴らしい技術が開発されても、導入する予算がなければ、絵に描いた餅に過ぎない▼全国道路施設点検データベースの活用促進も大きなテーマとして掲げられているが、まず点検データが施設の状態を精確に反映しているかが問われるだろうし、そのアウトプットはいまだ明確とは言い難い。現場のニーズは、複雑なデータベースの構築よりも具体的で、日々の業務に直結する効率化ツールではないだろうか▼SIPとの連携も強調されるが、研究開発の成果が社会実装に繋がるまでに幾つものハードルがある。まずは現場の課題解決に資する技術こそが求められているはずだ▼新技術導入の旗印の下、多くの予算と労力が投入されている。その熱意が本当に現場のニーズに応え、持続可能なインフラ維持に貢献するためには、品質の良いものを作る技術の確保、コスト、実用性、そして何よりも現場の声に真摯に耳を傾ける姿勢が不可欠だ。

愛知製鋼