
日本橋梁鉄骨事業協同組合理事長
黒﨑伸介さん
昨年5月に理事長となった黒﨑伸介理事長は、組合の「マンネリ化」と「ダイナミズムの喪失」を強調し、建設業界の持続可能性に対する危機感を抱いている。「建設業倒産件数は去年が1924件、ほとんどが中小企業。10人以下の業者の持続可能性をどうするか」と課題を指摘し、具体策を模索する必要性を訴える。彼は、人材不足と労働環境改善を最優先課題とし、若手や女性の活用を推進。青年部会の再生にも力を入れ、「起爆剤として青年部を再生し、そこから組合を変えていきたい」と意欲を示す。特にSNSを活用し、「職人って格好いい」というポジティブなイメージの発信を計画している。 また、外国人労働者については、「1人の人間として尊重できる環境を作らないと、なかなか定着してくれない」と述べ、文化理解や共生を目指した学びの場の重要性を強調する。安全管理では「常に臆病で、常に怖いという意識がないと、安全が保たれない」と語り、チームとしてのチェック体制の重要性を指摘し、「先輩であっても注意することが、事故を防ぐ」と意識改革の必要性を強調した。 さらに、技術継承や新技術の導入、大規模プロジェクトの実施による業界活性化を期待している。職人に対しては「君らも営業なんだよと。仕事そのものが営業になるのだから」と、職人にも営業的な意識を持つように促し、また「金だけでなく誇りも持てる職業としてどうすればよいかを一生懸命考える必要がある」と話し、職人第一主義の重要性を訴える。 また関西の橋梁建設事業協同組合とも連携して1つのグループとして活動することで、「組合員数を増やし、影響力を高めることを目指したい」と話す。 理事長として「次のリーダーを作っていく仕事」を念頭に、組合運営の活性化を進め、組合活動の意義を再定義し、青年部会を中心とした改革を通じて、業界の持続可能な未来を切り開くことを目指す。