前号の小欄で形式(橋種)変更情報の特ダネをスクープ、特ダネ記事をものして、施主に出向いて身を細らしたことを書いた▼創刊45年の紙齢と橋梁記者稼業45年を積み重ねると先人、先達や重鎮はじめ多くの橋梁斯界関係者各位から激励やら情報の提供と教示を受けてきた▼それでも「どうして、貴紙(=小紙)はリニア新幹線の記事を載せないのか、少ないのか」と▼それは、ともかく本紙創刊のコンセプトは関係者に聞いたことを活字にしてファン(読者)に伝えることにあった▼戸外はまだ暗闇の朝3時ころ、目覚まし時計にたたき起こされ、一番電車で東京駅に向かい、6時の始発新幹線に飛び乗り、神戸・鳴門間や児島・坂出間や尾道・今治間の取材に向かった時のルーティンは新幹線車内で、取材項目の確認と広告掲載の依頼先の手土産など▼東京から名古屋付近を過ぎるそのころには、あれこれの不安もなくなり「あとは、やるしかない」と覚悟が決まったものだ▼リニアは、完成すれば、最高時速500キロ約40分で名古屋到着、大阪には67分で着く▼決して東京名古屋間286キロのうち、9割が地下、地上の明かり部は40キロしかないから、取材対象とならない、というわけではない。総工費約9兆円の大プロだ。